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本当は面白い!【シロアリの生態】女王・羽アリ・兵蟻・職蟻の役割とシロアリ社会

 

シロアリは大切なお家を食べる『害虫』として知られています。

お家やお庭でシロアリを見つけた場合はもちろん放置せず 駆除と予防が大切なのですが、今回は虫嫌いの方でも関心してしまうであろう なんとも興味深いシロアリの生態についてお話していきます。

※虫嫌いの方の為に画像はイラストを使用していますが、 写真で見るのボタンよりシロアリの写真もご覧いただけます。

シロアリの生態

シロアリの社会

クロアリの中に女王アリ・働きアリ と聞くように、シロアリの世界にもこのような役割があります。クロアリの社会はメスが中心なのに対して、シロアリの社会はオスとメスが同じくらいの割合で存在し、繁殖能力のない労働階級と繁殖階級に分かれます。

王・女王(生殖虫)から生まれ、卵からかえった幼虫は既にシロアリの姿をしており、幼虫から働きアリ(職蟻)・兵隊アリ(兵蟻)・ニンフ(生殖虫候補)と役割が分かれます。

その後、ニンフは羽アリ(有翅虫)・副王、副女王(副生殖虫)と役割が分かれます。

羽アリ(有翅虫)は時期が来ると一斉に群飛し、地上に降り立つと羽を落として結婚相手を探して地上をさまよいます。そうして結婚相手が見つかると『タンデム歩行』(メスの後をオスが追いかけて歩く)で巣を作るのに適した場所を探し、巣を作ります。この巣を作ったカップルが、新しい巣の王・女王となるのです。

一方、副王・副女王は王・女王が死んだときの代わりとなり、巣の繁栄に貢献します。

王・女王(生殖虫)

シロアリの社会では1つの巣に王・女王は1匹ずつ。人間と同じ一夫一妻制の社会になります。

シロアリの種類にもよりますが、女王は多いものだと1日に数万個もの卵を産みます。

王・女王には体の大きさに違いがあり、女王は産卵のために腹部が肥大しているので見分けは簡単です。

女王は単為生殖と言って、1匹でも卵を産むことが出来ます。これは老化と共に行うようで、単為生殖によって生まれた子どもたちは副女王となり、王のDNAが入っていないので女王のコピーと言えます。女王の死後、副女王のうちの1匹が2代目の女王となるのですが、女王のコピーであるため近親婚が免れ、巣の繁栄へと繋がっていくのです。

副王・副女王(副生殖虫)

副王・副女王は、王・女王が死んだときに後継者となります。

副女王のほとんどは女王の単為生殖で生まれた子で、のちに王との子を作っていくわけですが、女王のコピーであるため女王はDNAとしては永遠に生き続けるのです。

羽アリ(有翅虫)

シロアリの羽アリは時期になると群飛(群れで巣から飛び出すこと)するため、紫外線から身を守らないと死んでしまいます。そのため外皮にメラニンを持ち、体は黒色をしています。

羽アリは、種類により違いはありますが、日本で被害報告の多い『ヤマトシロアリ』『イエシロアリ』は4月下旬から7月にかけて群飛します。

羽アリを発見したり羽が大量に落ちているのを発見し、家のシロアリ被害に気付かれる方はたくさんいます。気持ち悪いかもしれませんが、羽アリの羽や体を観察することでそれがシロアリなのかクロアリなのか区別することが出来ます。

羽アリを 写真で見る

シロアリの羽アリ

■数珠状の触角

■くびれがなく、ずん胴

■前と後ろの羽が同じ大きさ

■羽の脈が細くて多い

クロアリの羽アリ

■くの字状の触角

■くびれて細い胴

■前の羽が後ろの羽より大きい

■羽の脈が太くて少ない

ニンフ(生殖虫候補)

ニンフは、羽アリ・副王・副女王の前段階ですが、普段は働きアリとして生活しています。

兵隊アリ(兵蟻)

兵隊アリは、巣の5%前後と少なく 敵から巣を守る役割をしています。敵が現れるとカタカタと警戒音を出して仲間に知らせます。そして大きな頭で蟻道を塞いだりして侵入を遅らせます。

頭が大きく顎も発達しているのですが、自分で餌を食べれないため働きアリのお世話になります。また、目は退化しているため見えないのですが、働きアリの出すフェロモンによって巣の中を移動します。兵隊アリは外に出ることがないのでメラニン色素はなく、体は白っぽい色をしています。

働きアリと同じく労働階級に属し、生殖能力はありません。その後分化しないので、兵隊アリになったが最後、生涯を兵隊アリとして終えます。

兵隊アリを 写真で見る

働きアリ(職蟻)

働きアリは、巣全体の90~95%存在し、巣や蟻道(土や排泄物で作られたトンネル)を作ったり、産卵後の卵を保管室に運んだり、腸内の微生物によって木材に含まれるセルロースを分解して王・女王・兵隊アリ・幼虫に与えたりと雑務をこなします。

シロアリの食害はこの働きアリによるものです。

兵隊アリと同じく目が退化しているため見えませんが、自らお腹の下からフェロモンを出して巣内を移動します。働きアリは外に出ることがないのでメラニン色素はなく、体は白っぽい色をしています。

兵隊アリと同じく労働階級に属し、生殖能力はありません。

働きアリを 写真で見る

幼虫

幼虫は、イモムシのような形はしておらずシロアリの形をしています。小さく丸みを帯びたような雰囲気であどけなさがあり、かわいさも感じられるかもしれません。

卵は、女王が毎日 数十個~数万個産卵をするので常時膨大な数存在します。

女王の産卵後はフェロモンの働きで働きアリによってせっせと保管室まで運ばれます。病気にかからないよう働きアリにグルーミング(抗菌作用のある唾液での手入れ)してもらい、卵がかえるまで1~3か月ほどかかります。

シロアリのフェロモン

シロアリの魅力の1つにフェロモンがあります。

研究によって分かっているものは『性誘引フェロモン』『階級分化調整フェロモン』『道しるべフェロモン』『警報フェロモン』の4種類です。

性誘引フェロモン

群飛後のメスの羽アリが出し、オスを探します

階級分化調整フェロモン

王・女王が出し、巣内の他の個体が生殖虫へと分化するのを抑制しています。

王・女王のどちらかが死ぬと このフェロモンの放出がなくなり、ニンフから副王・副女王への分化が始まります。そうして最も早く副王・副女王になった個体が王・女王の後継者となり、再びフェロモンを放出します。働きアリ・兵隊アリの分化の調整もこれにより行われます。兵隊アリは多すぎると仲間に食べられ、少ないと働きアリやニンフから分化して補充されます。

道しるべフェロモン

働きアリが出すもので、仲間や自分の道しるべにしています。蟻道を作る際の道しるべでもあります。

警報フェロモン

兵隊アリ・働きアリが蟻道を破壊されたり巣に危険が生じた際に出します。

種類によっては粘液(防衛物質・警報フェロモン)を分泌します。

まとめ

シロアリの生態はとっても面白い!

シロアリの社会は、一夫一妻制!でも、繁殖能力が高く種類によっては1日に数万個もの卵を産む!

シロアリの女王は、女王のみで卵を産むことが出来る!これにより、女王のDNAは永遠に引き継がれる!

シロアリかクロアリかは、羽アリの触角・胴体・羽の大きさ・羽の脈を見れば区別できる!

シロアリのフェロモンはとにかくすごい!カップル成立・階級分け・道しるべ・危険を感じた時の警報、全てをフェロモンによって操作している!

シロアリは大切なお家を食べてしまう害虫なのですが、調べてみるとその生態はとっても魅力的でしたね。

3億年以上も前から地球に存在している人類の大先輩ですから、シロアリが滅びることはないのでしょう・・・そして、まだまだ謎の多いシロアリの研究はこれからも続くのです。

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シロアリ防除について

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執筆者   Ikeda    虫嫌いだが、シロアリの生態に興味を持ち勉強中。 シロアリの写真は見られるようになったので、現在の目標は駆除工事に同行すること・・・。  シロアリ被害で泣かないために、多くの情報を発信していきます!

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