【中古住宅購入・実家へ引越し・移住する方必見】失敗しないリフォームやリノベーション 公開日:2025年3月31日/更新日:2025年4月7日 最近の建築業界の流れとして、中古住宅の需要やリフォーム・リノベーションなどの依頼が徐々に多くなってきております。その背景として、金利の上昇や建築建材や部材の高騰・物価の高騰などの影響で、新築の建物件数が徐々に減っていることが言えます。 私もこの一年は、多くのリフォーム物件を目にしてきました。リフォームされる方の中には、販売を目的とした中古住宅の点検や、両親との同居を考え実家に移住を考えてのリフォーム工事などがありました。また、今ある建物を生活様式にあわせてリフォームしたい、両親の介護などを考えてより住み良くしたい、といった声も多く、需要が増えている様に感じます。 ただ、やはり建てられてから時間が経っている建物は特に相応にメンテナンスが必要になるものです。 例えば購入目的の建物を内見した際に、見た目や設備が綺麗に改修されている物件はよく見えますが、建物の土台や柱などの見えていない部分は本当に大丈夫でしょうか? 今回は、中古住宅を購入しリノベーションした方の失敗談から、リフォーム・リノベーションの際に注意するべきことをお話させていただければと思います。 \こんな方におすすめの記事/ ・中古住宅を購入する方 ・空き家だった実家に引越しする方 ・長野県に移住する方 ・リフォームやリノベーションを検討している方 目次 Toggle 戸建てリフォーム・リノベーションでやりたいこと1.見た目をきれいにする注意点2.設備を新しくする注意点3.断熱性能を上げる注意点リフォーム・リノベーションで気を付けるべきこと目に見えない部分を確認する実際のリフォーム失敗例リフォーム後にシロアリ被害を発見し再びリフォームリフォーム・リノベーション失敗しないためには?中古住宅購入・実家への引っ越し・移住する前に床下点検! 戸建てリフォーム・リノベーションでやりたいこと 1.見た目をきれいにする 戸建て住宅をリフォーム・リノベーションする目的は人それぞれですが、多くの方がまず考えるのは「見た目をきれいにしたい」ということ。 具体的には以下のような内容がよく挙げられます。 壁紙の張り替え 畳の張り替え 床板の張り替え 部屋の印象をガラッと変えるには、壁紙やフローリングの張り替えが効果的です。 注意点 「見た目がきれいになればそれでOK」というのは危険な思い込みです。中古住宅や長年手入れしていない住宅では、床下にシロアリや腐食などの重大な問題が潜んでいることがよくあります。リフォーム工事の前に、床下の状態確認を行うことが重要です。 シロアリ被害 腐れや外れた配管 実際に多いのが・・・ シロアリ被害による土台や柱の損傷 床下の湿気によるカビ・腐食 断熱材の劣化や脱落 これらの問題は、リフォーム工事の前に発見できれば、余計な費用や手戻り工事を防ぐことができます。見た目だけを整えるのではなく、住まいの健康診断=床下点検からスタートするのが賢明です。 2.設備を新しくする よくあるリフォーム例としては以下のようなものが挙げられます。 タイル風呂をユニットバスに変える キッチンのシンクを新しくする トイレの交換 古い設備を新しくすることで、快適に生活できるだけでなく、節水や節電効果なども期待できます。 注意点 いざ解体してみると水漏れを確認したり、カビがひどかったり、シロアリの被害が有ったりと、開けてびっくりな状況も多々あります。 カビとシロアリ被害 シロアリ被害 私も点検の依頼を受けた際に「解体したらシロアリが出てきた!」との報告を受けることも多いです。床下の点検なんか今までしたことも無かったから全然この状況に気づかなかった。と施主様も驚いた様子でお話をしていたこともありました。 ただこれらの状況としては解体したからこそ気づけたといえます。見ないまま、調べないままでいることは、知らないまま時間が経過していくのでトラブルが大きくなってからの処置になってしまい当初の予算よりも高くついてしまう場合も多いです。 まずは見えない箇所はどうなっているのか?と疑問を持てたのであるなら調べてみることをお勧めします。 3.断熱性能を上げる 最近は「冬寒くて夏暑い家を快適にしたい」と、断熱性能を高めるリフォームのニーズも高まっています。エネルギー効率の向上や、光熱費の削減にもつながるため、長く快適に住むための重要なポイントです。 具体的には以下のようなリフォームが挙げられます。 床下断熱の補強・入れ替え 天井裏の断熱材の敷き直し・追加 壁の内側や外側から断熱材を追加 築年数が古い建物は、断熱性能が低いことがほとんどです。断熱リフォームすることで、冷暖房効率がアップし快適な生活が期待できるでしょう。 注意点 断熱リフォームは「どこから熱が逃げているか」を正確に把握することが大切です。そのためには事前の住宅診断と、特に床下の状態チェックが不可欠です。 劣化して落ちた断熱材 シロアリ被害とカビ 断熱材がすでに入っていても、湿気やシロアリによって劣化・脱落していることも多く、効果が出ていないケースもあります。また、床下の湿気が多いと、新たに断熱材を入れてもカビや結露の原因になることもあるため、床下環境の把握と改善が第一ステップになります。 こうした断熱リフォームの成功も、やはり見えない床下の確認から始まります。断熱性を高めたつもりが、あとから「床下に問題があって冷気が上がってくる」となっては本末転倒です。 リフォーム・リノベーションで気を付けるべきこと 目に見えない部分を確認する 見えない部分の代表格が床下です。 建物の基礎より上は目につくので異変にも気づきやすいですが、床下は実際に潜って確認しないと解りません。 床下で主に何を調査するかというと、以下の7点が基本的な所になります。 シロアリの侵入と被害の有無 水漏れの確認 木部の腐朽 換気ができているかの調査(カビ) 断熱材の剥がれ 基礎のヒビ割れの有無 害虫・害獣の侵入 私ども株式会社テオリアランバーテックは、主にシロアリの調査・駆除を担っておりますが、水漏れ・床下の換気状態(カビ)・基礎のヒビ割れ・木部の腐朽 などは全てシロアリの侵入や被害につながる恐れがあります。 シロアリは木材を食べる生き物です。放置してしまうと建物に甚大な被害を及ぼすリスクがありますので、リフォーム前の床下調査をお勧めいたします。 ▶シロアリの生態について詳しい記事はこちら 実際のリフォーム失敗例 リフォーム後にシロアリ被害を発見し再びリフォーム ここでは私が点検で訪問した体験とお話をご紹介したいと思います。 築30年のお宅を2000万円弱で購入したお客様より依頼がありました。購入して10年目での点検になります。 購入時は現状引き渡しだったらしくフローリングと壁紙・シンクの改修工事をしたとのことで、総額2500~2600万円くらいかかったとのお話でした。 トイレの巾木から羽アリが出て怪しいと思い、弊社に調査の依頼がありました。 外観は比較的キレイだったのでそこまで酷い被害はなさそうでしたが、床下はシロアリの被害が酷く至る所から蟻道が上がっておりました。通気も悪く、湿気とカビで土台がどす黒い色に変色していました。 土台をドライバーで打診してみると、まるで麩菓子をドライバーで刺した感覚。どこを打診してもドライバーが刺さってしまう程の被害状況です。 このまま生活していたらいずれ床が落ちてしまう程の状況、とお客様にお話しさせていただきました。 駆除工事だけでなく工務店さんに相談し改修工事を強くお勧め致しました。 結果的にこのお客様は、改修費用に数百万円かかることとなりました。 もし早期に点検をしていたら、ここまでの被害は起きなかったかもしれません。少なくともリフォーム工事は必要無かったのではと思います。 普段、点検の際にお客様とお話ししていて感じることは、建物の異変を感じても『とりあえず様子を見る』として放置される方が多いことです。「あの時、相談していれば・・・」なんてことにならないように、異変を感じた場合は直ぐに調査することを推奨いたします。 リフォーム・リノベーション失敗しないためには? 中古住宅購入・実家への引っ越し・移住する前に床下点検! 建物全体のリフォーム・リノベーションの場合は、現状の不具合やシロアリ被害なども解体時に発見することもあるかと思います。大掛かりな工事であれば根本的な解決や改修などの処置も可能ですが、部分的な改修の場合は発見も難しく、不具合の根本的な解決ができない可能性があります。 先ほどお話ししたように、シロアリ被害があるにも関わらず、状況を調査せずにリフォーム工事(やりたいこと)だけを進めてしまうと、のちに改修した場所まで被害に遭うこともあります。 中古住宅購入の際に、現状渡しであれば不具合ふくめ購入者の全責任になる可能性も高いです。「買って後悔した」というお話をお客様から聞いた経験もありますので、本当にこの物件を選んでよいか、精査する重要な判断材料として、床下の調査をお勧めします。 ※状況によっては有償点検になる可能性があります。 ライター 千秋 <保有資格> しろあり防除施工士 <趣味> 映画鑑賞・バイク・体に悪いものを食べること。 <休日の過ごし方> さーばんと <アピールポイント> 正直なシロアリ屋さんです。