この記事では、シロアリが大量発生する理由、そして被害に遭いやすい家の特徴についてお話しします。
また自分でできる対処方法を合わせてご説明します。
少しの工夫でシロアリが好まない環境に変化することができますのでぜひご参考ください。
シロアリはどこにいるのか?
シロアリは普段どこにいるのか、皆さん、ご存知ですか?
シロアリは、通常「土の中」にいると言われています。土壌中や木材の内部に侵入して、そこに巣を作ります。
シロアリの好む環境
シロアリは、湿った環境や木材を好みます。
また、シロアリは社会性昆虫で、群れで行動します。
ちなみに、お庭の地面に「木材」を放置されている光景は、よく目にします。
そして実際に、この「木材」をひっくり返してみます・・・。
いるんです !
シロアリの体長は5mm前後と、「米粒」くらいの大きさです。
ヤマトシロアリは北海道北端以外のほぼ「日本全域に生息している」シロアリです。
→日本に生息するシロアリ4種類の生態と特徴
更に、めくった「木材」の反対側は、ご覧の通りです。
色が黄色く見えるところが、まさに「木材」を食べかけている部分です・・・。
お庭まわりをよ~く見てみると、実はいろいろなところで、その痕跡を残しています。
ただ、気が付かないだけなのです・・・。
このように家の外周に木材が放置されていると、シロアリを引き寄せてしまいます。
シロアリはどこから家の中に入ってくるのか
さて、そのシロアリがどのように家の中へ入ってくるのかというと、一般的には、床下からになります。
基礎や下水道など、地下のわずかな空間から侵入することが多いです。
シロアリは、乾燥に弱く、光や風を嫌うと言われていますが、床下はその条件が揃っています。更に、写真にある通り、「蟻道(ぎどう)」と言われる土状のトンネル(通り道)を地面から木部まで繋げます。
つまり、普段は地面にいるシロアリは蟻道を伝い、餌になる木部へとなんの障害もなく実に、巧みに、コツコツと、この「蟻道」を作り、気付かないうちに家の中へ侵入してくるのです・・・。
シロアリ被害に遭いやすいお家とは
シロアリ被害に遭いやすいお家は、これだ!と断言するのは一概には難しいのです。
理由としては、日本の木造住宅のシェア率があげられます。
日本の住宅のうち、木造住宅のシェア率は約60%以上と言われており、今後も高い割合を維持すると予測されています。また、日本の住宅の中でも、特に注文住宅や一戸建ての場合には、木造住宅が多く見られます。
シロアリの餌は木材に含まれるセルロースという成分です。
木材でできた木造住宅というだけで、シロアリのリスクは格段に上がってしまいます。そして、そんな木造住宅のなかでも被害がさらに拡大してしまう例が有ります。
雨漏れ、結露等、水の供給が建物上部から発生しているケースです。
ヤマトシロアリは、自ら水を運ぶ能力が無いので、通常床下から上へ侵入しても、せいぜい1階の床の腰の高さくらいまでしか上がりません。
ただ、雨漏れのように水の供給が建物上部から発生している場合は、水があるところまで、一気の登ることができます。
このようなケースでは、もはや「シロアリ対策工事だけ」では、「問題解決できない」場合が多くなります。
壁を剥がし、構造体である骨組みを直さなければいけない場合です。
こうなると、シロアリ対策費用だけではなく、建物を直すための別の費用が余計に掛かってしまうのです。
つまり、シロアリは対策や予防・点検を行うことで被害を最小に抑えることができますが、対策や予防・点検を行わずにいると被害のサインを見逃して被害が大きくなってしまうのです。
シロアリが大量発生する理由
シロアリが大量発生する理由は、繁殖と新たな巣の形成です。
床下から侵入したシロアリは、静かに被害を拡大していきます。そして、ある程度の範囲の木部を食べ切った頃合いで、巣の中のシロアリの一部が、色が黒くなり、羽を付け、外へ飛び出てきます。
これが、いわゆる羽アリです。
羽アリは外で飛んでいる分には、特に気にする必要は有りませんが、家の中、壁まわりで大量発生している場合は、まず間違いなく建物がシロアリ被害に遭遇しています。
この時初めてシロアリの存在に気付くのです・・・。
シロアリからお家を守る対策、自分でできること
知らないうちに、シロアリが家の中に侵入・・・。大量発生・・・。
それは、避けたいですよね。
では、どう対策を取れば良いのでしょうか?
まずは、家の床下を点検することで現状シロアリ被害に遭遇しているか、いないかを確認することができます。
この機会に、ぜひ床下点検をおすすめ致します。
また、建物の壁まわりに木材を放置するのはやめましょう。
タイヤ保管のために、下にすのこを敷いていないですか?
まきストーブ用の薪を、壁際に直置きしていませんか?
棚や物置など設置する場合、わずかでも良いので壁との間に風が通るくらいの隙間を作りましょう。壁まわりの風通し、これがとても大事です。
▼点検のポイントは、こちらの記事もご覧ください。
身近な存在に気づきましょう
先日、床下点検にお伺いしたお宅の例ですが・・・
自分の家の身近にシロアリがいることに気付いていない方が、とても多くいらっしゃいます。
ご覧の写真は、全て、お庭でのシロアリ被害の跡です・・・。
我々が見れば、これはシロアリ被害です!と、気付くことができます。
1件でも多く、そんな嫌な思いをしないように、させないように、守り続けていきます。