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【見分け方と対処法】シロアリやシロアリの羽アリに似た虫、間違いやすい虫

【見分け方と対処法】シロアリやシロアリの羽アリに似た虫、間違いやすい虫

こんにちは、テオリアランバーテックの倉谷です。長野県内で主にシロアリの調査・点検をしております。

自宅で突然、羽アリのような虫を見つけたら「もしかしてシロアリ?」と不安になりますよね。シロアリは家の木材を食べてしまう害虫のため、早めの対応が重要です。しかし、シロアリに似た虫も存在するため、正しく見極めることが大切です。

本記事では、シロアリの特徴と似た虫の違いを解説し、ご自宅でシロアリを発見した際の適切な対応方法をご紹介します。

 

シロアリとシロアリの羽アリの基本的な特徴

シロアリの社会構造

シロアリの社会には、職蟻(しょくぎ:働きアリ)・兵蟻(へいぎ:兵隊アリ)・羽アリ・女王アリなどがいて、それぞれに役割を担っています。
目にする可能性が高い職蟻と羽アリでは、見た目が異なるため、この2種類について解説します。(ヤマトシロアリ)

 

シロアリの生態と特徴

ヤマトシロアリの生態と特徴
体の色 白っぽい、クリーム色
触角 数珠状でまっすぐ
なし
くびれがなく太い
役割 巣の拡張・餌の運搬・幼虫や女王の世話

巣の中にいるため、食害にあった木材の中や、蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルの中で活動しています。

 

シロアリの羽アリの特徴

ヤマトシロアリの羽アリの生態と特徴
体の色 黒色、茶色
触角 数珠状でまっすぐ
4枚の翅がほぼ同じ大きさ
くびれがなく太い
役割 新たな巣を作るために飛び立つ(繁殖)

特に羽アリのシーズン(春~初夏)には、群飛と呼ばれる大量発生が見られます。繁殖のために巣から飛び立ちますが、相手を見つけ土に潜る際に自ら羽を切り離します。家の中などで大量に羽が落ちていると危険信号です。

 

 

シロアリと間違えやすい虫

チャタテムシ

シロアリと似ている虫「チャタテムシ」 「東京文化財研究所」ウェブサイトより引用

チャタテムシの見た目はシロアリに似ています。

 

クロアリの羽アリ

シロアリと似ている虫「クロアリ」 クロアリの羽アリ

クロアリはシロアリの羽アリと間違われることがあります。

 

イエヒメアリ

シロアリと似ている虫「イエヒメアリ」 「公益社団法人京都保健衛生協会」ウェブサイトより引用

イエヒメアリはシロアリの羽アリと間違われることがあります。

 

クロバネキノコバエ

シロアリと似ている虫「クロバネキノコバエ」 「セイコーエコロジア」ウェブサイトより引用

クロバネキノコバエはシロアリの羽アリと間違われることがあります。

 

見分け方のポイント

シロアリとチャタテムシ

シロアリとチャタテムシの見分け方
シロアリ(職蟻) チャタテムシ
体の色 白っぽい、クリーム色 淡い褐色
体の大きさ 約3.5~6.0mm 約1~1.5mm
生息環境 木材内部や蟻道の中 暖かく湿気の多い場所
被害の状況 木材を食害し建物を弱体化させる カビを増殖させる可能性がある

シロアリとの見分け方のポイントは、大きさです。

シロアリは触角が数珠状で体にくびれはなく寸胴で、形はこの条件に似ています。ただ、チャタテムシは1mm程度と小さく、大きさが全く異なります。
チャタテムシは、ホコリやカビ、乾燥食品などを食べ暖かく湿気の多い場所を好みます。毒性はなく人を刺したりしませんが、場合によりアレルギーによる健康被害の可能性があります。また、チャタテムシを餌とするツメダニが繁殖しツメダニの被害が出る可能性があります。

 

シロアリとクロアリ

シロアリとクロアリの見分け方
シロアリ(羽アリ) クロアリ
体の色 黒色、茶色 黒色、茶色
体の大きさ 約4.5~7.5mm 約6~12mm
触角 数珠状でまっすぐ 「く」の字に曲がる
4枚の翅がほぼ同じ大きさ 前翅が後翅より大きい
くびれがなく太い くびれがある
生息環境  地中や木材内部に巣を作るが、群飛する 地面や壁の隙間に巣を作る
被害の状況 木材を食害し建物を弱体化させる シロアリ被害のある場所に巣を作ることがある

シロアリとの見分け方のポイントは、触覚・翅・胴です。

クロアリは、触角が「く」の字になっており体は「頭」「胸」「腹」とくびれ、三つに分かれています。また、クロアリの羽アリは前翅が大きく後翅が小さいです。
日本全国、乾燥した地面に好んで巣を作ります。畑や林道、住宅地や公園など都市部でも多く見られ、家の中にも侵入することがあります。木材を食べる事がないのでシロアリの様な建物への被害はありません。ただ、腐った木を好むので巣作りに湿気の多い水廻りや雨漏れ部には注意が必要です。

 

シロアリとイエヒメアリ

シロアリとイエヒメアリの見分け方
シロアリ(羽アリ) イエヒメアリ
体の色 黒色、茶色 黄褐色(腹部が黒)
体の大きさ 約4.5~7.5mm 約2~2.5mm
触角 数珠状でまっすぐ 「く」の字に曲がる
4枚の翅がほぼ同じ大きさ 前翅が後翅より大きい
くびれがなく太い くびれがある
生息環境  地中や木材内部に巣を作るが、群飛する 壁の隙間や電気配線周り
被害の状況 木材を食害し建物を弱体化させる 設備にダメージを与える可能性がある

シロアリとの見分け方のポイントは、大きさ・触覚・翅・胴です。

体の作りはクロアリと同様に触角が「く」の字になっており体は「頭」「胸」「腹」とくびれ、三つに分かれています。体長が約2~2.5mmで黄褐色。お腹の部分が少し黒くなっています。
寒さに弱く暖かいところを好み土が無くても巣を作ります。食べ物は、砂糖など甘いものやお菓子などの乾物、肉や魚等を食べる雑食性です。クロアリと同様に建物への影響は低いですが、食べ物を求めて動きまわるので不快感を与えます。刺激を与えると刺す可能性がある為、皮膚が弱い方は注意してください。

 

シロアリとクロバネキノコバエ

シロアリとクロバネキノコバエの見分け方
シロアリ(羽アリ) クロバネキノコバエ
体の色 黒色、茶色 黒褐色
体の大きさ 約4.5~7.5mm 約1~2mm
触角 数珠状でまっすぐ 短くまっすぐ
4枚の翅がほぼ同じ大きさ 2枚の翅を持つ
くびれがなく太い くびれがない
生息環境  地中や木材内部に巣を作るが、群飛する 湿った腐葉土や朽木
被害の状況 木材を食害し建物を弱体化させる 直接の被害はないが、大量発生しやすい

シロアリとの見分け方のポイントは、大きさ・触覚・翅です。

黒褐色で体長は、約1~2mm位と小さくヤマトシロアリの羽アリは、約4.5~7.5mm。イエシロアリの羽アリは、約7.4~9.4mmと大きさが全く異なります。
野山や畑、プランターなどの腐葉土や朽木など、水分を適度に含んだ土壌に生息し、幼虫時は農作物の根等を食べ被害を与える害虫で、人へは肌にくっつくことや歩き回るなどから「不快害虫」と呼ばれています。

 

虫がいることのリスクと適切な対処法

シロアリと間違いやすい虫が家にいるとどうなるか

虫の種類 建物への影響 人への影響
シロアリ 木材を食害し、建物の強度を著しく低下させる 直接の健康被害はないが、家屋の崩壊リスクがある
チャタテムシ 湿気の多い場所や古い本に発生し、カビを増殖させる可能性がある アレルギー症状(くしゃみ・鼻水・皮膚炎)の原因になることがある
クロアリ 木材を直接食害しないが、シロアリが食害した部分に巣を作ることがある 食品に集まり、不快害虫として問題になることがある
イエヒメアリ 壁の隙間や電気配線に巣を作り、設備にダメージを与える可能性がある 噛まれることがあり、食品汚染のリスクがある
クロバネキノコバエ 腐敗した木材やカビの発生した場所に集まり、湿気の多い環境で増殖する 目や鼻に入ることがあり、不快感を与える

特にシロアリは、以下のように建物に深刻な被害を及ぼす可能性があります。

シロアリは、建築基準法に定める『主要構造部』(建築基準法 第2条5号)である壁・柱・床・梁などを食害する事から、建物の強度や耐久性を大きく下げてしまいます。耐久性が下がる事により、建築基準法施工令に定める『構造耐力上主要な部分』(建築基準法施工令 第1条第3号)にて建物自体が台風や地震などの外力の振動や衝撃から耐えられなくなってしまいます
また、建物を売却する際、シロアリの被害があると価格も下がる傾向にあります。もし、シロアリの被害を隠して売却し後に明らかになった時は瑕疵となり『契約不適合責任』(民法第566条)にて責任を問われる可能性もあります。
シロアリの被害は、建物の価値を下げるだけでなく、被害の大きさによっては人命をも脅かします。お建物を守るには、定期的な点検や修繕、シロアリの駆除・予防を心掛けて頂く事が大切です。

 

シロアリと間違いやすい虫の対処法

虫の種類 対処法
シロアリ 早急に専門業者による点検・駆除を依頼する。木材の防腐・防蟻処理を行う。
チャタテムシ 暖かく湿気の多い場所を好むため、風通しを良くし湿気を取り除く。不要な紙類を処分し、掃除を徹底する。
クロアリ 家の周りに撒くタイプや置くタイプの殺虫剤を使用。
アリは食材を求めてわずかな隙間から室内に侵入するので、マスキングテープなどを使って隙間を埋めるのも一つの方法です。
イエヒメアリ
クロバネキノコバエ ハッキリとした侵入経路を断定することは難しいが、湿気を取り除き、発生源となる腐敗物やカビを除去する。

シロアリの被害は、目に見えて全体が見えるわけではありません。目に付いた被害と思われる事象が確認された場合、既に見えない部分を食害してきている可能性がとても高い事です。
自己判断をせず早めに専門業者に依頼することをおすすめします。
まずはシロアリの被害なのか、そうであればどこに被害があるのか調査を行い対処方法を考えることが最善と思われます。

 

シロアリと似た虫を正確に見分けて家を守る

羽アリが大量に発生すると「もしかして…シロアリ!」と心配になるのは当然の事だと思います。
群飛はヤマトシロアリですと4月下旬から5月、東北は6月のお昼頃。イエシロアリは5月下旬頃、場所によっては6月~7月頃の夕刻です。
現時点で、長野県はヤマトシロアリのみです。この時期に羽アリが発生したら要注意です。
まずは落ち着いてテープなどを使い羽アリを捕まえてみましょう(死骸でもよいです)。その羽アリがシロアリの特徴に合致するのか確認をして頂き、ご相談して頂けたらと思います。点検は基本的に無料にて対応させて頂いております。大切なお建物をシロアリから守るために、是非このサイトをご活用して頂きご用命頂けたらと思います。

 

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ライター 倉谷
<保有資格>
しろあり防除施工士/気密測定技能者/木造建築物の組立て等作業主任者/一級建物アドバイザー
<プロフィール>
長野県出身 50代です。
なかなか頻繁には行けませんが神社やお寺に行く事が大好きです。あの背筋が伸びる厳粛で凛とした空気は心地がよく、とても落ち着きます。好きな方も、そうでない方も是非行ってみて下さい。お薦め致します。

 

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