シロアリ対策【5つのポイント】シロアリ防除会社の社員が新築時に気をつけたこと&後悔したこと 公開日:2022年9月26日/更新日:2024年10月8日 シロアリは大切なお家を食べる『害虫』として知られています。 今回は、シロアリ予防・駆除をする会社に勤める私が『新築時に気を付けたシロアリ対策』についてお話します。 実体験ですが、ホームメーカーや工務店によっては、シロアリ対策の説明がないところもありました…。 人生最大とも言われる買い物なので、なるべく後悔はしたくないですよね。シロアリ対策についても知識を持って、後悔のないよう新築計画を進めていただければと思います。 目次 Toggle シロアリの被害に遭わないために新築時に気を付けたこと1.シロアリの侵入経路を知る2.人が入って点検できる床下空間を作る3.『シロアリに強いヒノキを使っている』にご用心4.住宅の基礎種類と断熱工法に注意5.新築時にしかできない『タームガード』の検討新築の防蟻工事まとめ シロアリの被害に遭わないために新築時に気を付けたこと 今までもコラムでお話してきましたが、シロアリは木材があり・日が当たらない・空気が動かない・暖かい・湿気の多いところが大好きです。 ▼こちらもご覧ください。 本当は面白い!シロアリの生態【シロアリが嫌いなもの】 シロアリがお家を食べるといいますが、その被害は私たちの目の届かないところで起きています。 以下はマイホーム計画が進み、たくさんの工務店やハウスメーカーでお話を聞く中で気を付けたポイントです。 1.シロアリの侵入経路を知る シロアリの侵入を防ぐためには、シロアリがどこからやってくるのかを知っておくことが必要になります。 日本で被害が多く報告されている種類に「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」がいます。 この2種類のシロアリは地面から家に侵入します。ベタ基礎の住宅は被害に遭いづらいと言われていますが、シロアリはコンクリートの立ち上がりのつなぎ目や配管などちょっとした隙間から侵入できるので、100%安心というわけではないのです。 また、シロアリは乾燥に弱いので床下空間をしっかりと換気していれば安心だ、といった話もあります。しかし、シロアリは「蟻道」と呼ばれるトンネルを作りその中を移動します。「蟻道」の中は湿度が高いため、換気された床下空間でもシロアリ被害は発生することがあるのです。 ▼こちらもご覧ください。 『【シロアリ】寄せ付けない、被害に遭わないためにやるべき5つの対策』シロアリの特徴 シロアリ対策には、まずは床下で出来ることを考えていきます。 2.人が入って点検できる床下空間を作る シロアリの侵入経路は床下なので、点検や予防工事・駆除工事は床下で行います。 ちなみに、お家を建てて生活が始まってからも、定期的なシロアリ点検や予防は必須です。しかし、弊社でシロアリ点検をするアドバイザーの話を聞いていると、床下の環境は様々で点検が出来ないお家もあるのだとか・・・。 では、点検が出来ない、とはどういうことなのでしょうか? よく聞く理由の1つが、床下空間の高さです。 点検や工事をするからには、当然床下に人が入らないと話が始まりません。ですが、床下の空間があまりにも狭いと、点検はできず被害を見つけることが出来ないので、早期発見や定期的な予防工事も難しくなるのです。 以上のことから、私は床下点検がしっかりと出来るお家を作ってくれるのかを確認しました。 3.『シロアリに強いヒノキを使っている』にご用心 私は8件ほど工務店・ハウスメーカーを見学に行きましたが、その中で「シロアリの対策は何かされていますか?」と尋ねた時、「うちは土台や柱にシロアリが嫌うヒノキを使っているので大丈夫ですよ」と説明されたことがありました。 ・・・今の会社に勤めていなければ、営業さんの言葉を信じてしまっていたかもしれません。 確かにヒノキは、『心材』と呼ばれる中心の赤身の部分はシロアリの被害に遭いにくいと言われていますが、『辺材』と呼ばれる心材の周りの白っぽい部分は決してシロアリに強いとは言えません。 つまりシロアリの被害に強いとされている樹種ヒノキであっても防蟻処理は不可欠なのです。 4.住宅の基礎種類と断熱工法に注意 最近は、高気密高断熱の住宅が多くなっています。寒さが苦手な私も、高気密高断熱の住宅にこだわっていました。 しかし、完璧なシロアリ対策と完璧な高気密高断熱の住宅を両方手に入れることは難しく、取捨選択が必要な場面があります。 シロアリ被害ももちろん嫌ですが、定期的なシロアリ対策をすることを前提に我が家は冬でも暖かい家(高気密高断熱の家)を選びました。 具体的には以下のようになります。 基礎はベタ基礎の為、布基礎よりもシロアリ侵入のリスクが低い。 床下の断熱工法は基礎内断熱で高気密高断熱。 床断熱に比べるとシロアリの被害に遭いやすい※が、同じ基礎断熱でも基礎外断熱よりシロアリのリスクが低い※。 ※防蟻工事など、適正な処理を怠った場合のリスク ▼基礎種類別の比較 ベタ基礎 布基礎 シロアリ被害 ◯ 被害が少ない※ △ 被害が多い※ ※防蟻工事など、適正な処理を怠った場合のリスク ▼断熱工法別の比較 基礎外断熱 基礎内断熱 床断熱 シロアリ被害 △ 被害が多く気づきにくい※ 〇 比較的被害が多く気づきにくい※ ◎ 被害が少ない※ 断熱性 ◎ 断熱性がとても高い ◯ 断熱性が高い △ 基礎断熱と比べると 断熱性が低い ※防蟻工事など、適正な処理を怠った場合のリスク 5.新築時にしかできない『タームガード』の検討 我が家では導入しなかった『タームガード』。正直、導入しなかったことを後悔しています。 タームガードとは、新築時に家の周囲にパイプを設置し、薬剤を5年サイクルで継続的に注入することで、シロアリを確実に防除する工法です。床下を含む居住空間に薬剤を散布しないため、日常の生活を送りながら防蟻再施工を実施することができます。 タームガードのデメリットは、初期費用が掛かるということです。 ですが、ランニングコストを考えると、床下に潜る工事と比べて安価なため、約15年(5年ごとの予防工事×3回ほど)でペイできてしまいます。 新築時にしかできない工事ですので、私のように後悔しないよう、高気密高断熱住宅や床下エアコンの住宅の方には、導入をおすすめします。 新築の防蟻工事 新築時に行うシロアリ施工は以下の2つです。 上棟前に土に直接散布する土壌処理 上棟後に壁や床下、柱に散布する木部処理 我が家もしっかりと予防工事をしてもらいました! 写真は木部処理を行った時のものです。 外周の壁、そして室内の壁や柱、床下に散布していきます。 薬剤の効果は5年持続するといわれているため、5年後にまた予防薬の散布(バリア工法)をします。 まとめ 新築時に考えたい、シロアリ被害に遭わない・被害を広めないために大切なことは・・・ シロアリの侵入経路は床下。基礎の種類や断熱工法でもリスクは抑えられる! 大前提!人が入って点検できる床下空間を作る! シロアリに強いと言われるヒノキも実際は被害に遭っている。防蟻工事は不可欠! 基礎と断熱の種類を理解して、シロアリ予防工事を忘れずに! 導入しなかったことを後悔…。新築時には【タームガード】がおすすめ! たくさんの工務店・ハウスメーカーでお話を聞き考える中で改めて感じたことですが、当然シロアリ対策が万全なことだけが快適なお家造りではありません。大切なのはメリット・デメリットを十分に理解した上で、選択をして対策をすることです。 基礎断熱を選択した我が家は、定期的な床下点検とシロアリ予防工事を行い、シロアリの対策をしていく選択をしました。 これからお家を建てる大切なタイミングだからこそ、シロアリ対策についても考えて、ご家族にとって最適な住まいを手に入れていただきたいです。そのために少しでもお役に立てれば嬉しいです。 テオリアランバーテックでは、シロアリのプロが予防工事・駆除工事を行っています。 目に見えないところだからこそ、圧倒的な信用力で多くのお客様からお喜びの声をいただいております。 新築の防蟻工事についてご不安な点は、まずは建築会社にお問い合わせください。タームガードの導入など、ご相談はテオリアランバーテックにお気軽にお問い合わせくださいませ(^^)! シロアリ防除について お問い合わせ 執筆者 Ikeda 虫嫌いだが、シロアリの生態に興味を持ち勉強中。 シロアリの写真は見られるようになったので、現在の目標は駆除工事に同行すること・・・。 シロアリ被害で泣かないために、多くの情報を発信していきます!