【シロアリ予防・駆除】薬剤散布してシロアリにどう効くの?安全性は大丈夫? 公開日:2024年4月17日/更新日:2024年11月8日 こんにちは、アドバイザーをしております倉谷と申します。長野県内で主にシロアリの調査・点検をしております。 皆様より「シロアリがいるかも?」「羽アリがいる!」といったお困りの際、点検にお伺いし状況に応じて対処方法をご提案させて頂いております。 今回は、シロアリ予防や駆除の際に使用する薬剤について散布方法やシロアリへの薬剤効果をお話したいと思います。 目次 Toggle 薬剤散布はどこにするの?シロアリ侵入経路や被害部に薬剤散布・注入薬剤の種類テオリアランバーテックで使用するシロアリ薬剤即効性と遅効性の2種類の薬剤即効性薬剤(忌避性)とは遅効性薬剤(非忌避性)とは薬剤はどう効くの?シロアリ薬剤の安全性は?シロアリ防除はプロに相談しよう! 薬剤散布はどこにするの? 長野県で確認されているシロアリは地下型のヤマトシロアリという種類になります。ヤマトシロアリは必ず地中から建物に取り付き建物を食害します。床下で被害を広げ、さらには床上に上がってきたりと被害を広げる侵入経路となります。その性質上、多くの場合床下を確認することで、蟻道(シロアリの通り道)が確認でき被害の状況を確認することが出来ます。 シロアリ侵入経路や被害部に薬剤散布・注入 シロアリの性質を踏まえ考えられる侵入経路や被害部に薬剤を散布・注入を施します。薬剤には土壌用と木部用の2種類があります。 基本的に、土壌用は床下の土壌面に散布、木部用には防腐剤も含まれており床下の木部に散布・注入を行います。 被害が大きく床上にまで及んでいる場合もありますが、床下での薬剤散布がメインになります。 玄関や在来浴室(ユニットバスではない)では、シロアリ被害に遭った場合、タイルの目地にドリルで穴を開け薬剤を注入します。 薬剤の種類 シロアリの薬剤には以下のように色々な種類があり、有効成分や効果も様々です。 ピレスロイド系 ネオニコチノイド系 有機リン系 非エステルピレスロイド系 フェニルピロール系 フェニルピラゾール系 カーバメート系 天然物系 テオリアランバーテックで使用するシロアリ薬剤 弊社では、ピレスロイド系とネオニコチノイド系の2種類を使用しています。 ピレスロイド系の薬剤は、シロアリに対して即効性(忌避性)があり、ネオニコチノイド系の薬剤は、シロアリに対して遅効性(非忌避性)の薬剤です。 「しろあり防除施工士」の資格を持つシロアリのプロが、被害状況を確認しながら特性を活かし薬剤を選定し使用します。 ちなみに薬剤は原液のままでは散布せず、水を既定の希釈倍率で加えしっかり撹拌し散布しています。 即効性と遅効性の2種類の薬剤 前述したように、薬剤には即効性薬剤(忌避性)と遅効性薬剤(非忌避性)があります。 即効性薬剤(忌避性)とは 即効性薬剤(忌避性)は、触れると早い段階でシロアリに効果が表れます。 ただ効果は早いのですが触れなかったシロアリは警戒し別の場所へ移動してしまう可能性(忌避の為)があります。そのような性質を持っていますが薬剤散布後、文字通り忌避性なのでシロアリが嫌がり薬剤効果が続く限り寄り付かなくなります。ただ薬剤は永久ではなく経年にて効果は薄れていき約5年位が効果のある期間になります。 遅効性薬剤(非忌避性)とは 遅効性薬剤(非忌避性)は、じわじわと効果を発揮します。 散布すると即効性と同様に警戒はしますが、即効性が無い事、非忌避性の特性上、嫌がって移動することは多少ありますが落ち着けば普段通りの生活に戻ります。ここがミソです。それじゃあ、意味がないのではと思いますね。ところが、ここからが遅効性の見せ場です。体についた薬剤に気付かずシロアリ同士がグルーミング※を行う際、薬剤を体内に取り込みゆっくりと巣全体に伝播させていき死滅させる仕組みです。 ※グルーミングとは・・・病気にかからないよう抗菌作用のある唾液でお互いの体を舐めあう習性のこと。 薬剤はどう効くの? 弊社で使用している薬剤は、シロアリにどう効くのか。結論からお話しすると両方ともシロアリの神経に効く薬です。 神経は神経細胞同士が繋がっており、微弱の電気信号が流れ神経伝達物質で指示を出すネットワークになっていますが、そのネットワークの誤作動を起こさせ死に至らしめる効果があります。 シロアリ薬剤の安全性は? シロアリの神経に効く薬と言われると、人には大丈夫なのか?と心配になるのは当然の事だと思います。 過去には、シロアリ薬剤において人体への影響や環境への問題から使用禁止となった薬剤があることは事実です。 例えば、シロアリ駆除の効果や持続性が非常に高く半永久的に続くと言われた有機塩素系の薬剤がありました。この薬剤はにおいが非常にきつく土壌汚染の問題もあったため、第一種特定化学物質に指定されて使用が禁止されました。 さらにその後、有機リン系の薬剤が登場しシロアリ防除の薬剤として主流になりましたが、こちらもシックハウス症候群といった安全性の問題があり、2003年に建築基準法の改正により使用禁止となったのです。 しかし、現在では多くのテストをクリアした安全性が非常に高い薬剤が使われています。 人体への安全性を確保している薬剤になりますので、ご安心ください。 シロアリ防除はプロに相談しよう! シロアリと薬剤について説明をさせて頂きましたが、なかなか理解しづらかったかもしれません。 シロアリの被害はないけど予防として工事をしたい方、実際に被害にあって工事をしたくても薬剤が気になってどうしようと悩んでしまう方も大勢いらっしゃいます。 そんな時は、ご家族やシロアリの専門家にまずは相談してみることをお薦め致します。 長野県でシロアリについてお困りの方は、テオリアランバーテックにお気軽にご相談ください。 ライター 倉谷健吾 <保有資格> しろあり防除施工士/気密測定技能者/木造建築物の組立て等作業主任者/一級建物アドバイザー 長野県出身 50代です。 なかなか頻繁には行けませんが神社やお寺に行く事が大好きです。あの背筋が伸びる厳粛で凛とした空気は心地がよく、とても落ち着きます。好きな方も、そうでない方も是非行ってみて下さい。お薦め致します。