床下吹き付け発泡ウレタン断熱とシロアリ被害【事例紹介】 公開日:2022年10月8日/更新日:2024年7月31日 yana/WEB・マーケティング担当 おはようございます、こんにちは。 どうも、WEB担当のヤナです。 今回は一級建物アドバイザーによるインスペクション(住宅診断)にて発覚した「シロアリ被害と発泡ウレタン」をテーマにお伝えしたいと思います。 ※現在、床下点検のみの対応でインスペクション(住宅診断)の受付を一時停止しています。 弊社サービスのシロアリ点検、断熱調査については、点検希望は受付していますのでお気軽にお声がけください。 目次 Toggle 住宅診断で床下のシロアリ被害発覚住宅診断(インスペクション)とはシロアリ被害と発泡ウレタンシロアリ被害そもそも発泡ウレタンとは発泡ウレタンの撤去シロアリと断熱材シロアリ被害の点検シロアリ駆除工事まとめ 住宅診断で床下のシロアリ被害発覚 住宅診断(インスペクション)とは 住宅診断(インスペクション)は、いわゆる住宅の健康診断で以下の点検項目があります。 室内 小屋裏 屋根 バルコニー 設備 基礎 床下 外壁 今回は、この床下点検でシロアリによる断熱材「発泡ウレタン」の被害が発覚しました。 シロアリ被害と発泡ウレタン シロアリ被害 今回の物件は床下が全面「発泡ウレタン」で断熱されていました。 そして台所の床下にて蟻道(シロアリが砂や土で作る通り道)を確認。 この発泡ウレタンは床下の木材に吹き付けて密着しているため、部分的に外してシロアリによる被害を確認し、断熱材を元に戻すということが出来ません。 そのため、シロアリの被害がどこまで進行しているのか目視では確認できません。それに伴い適切なシロアリ工事ができない事もあります。今回のケースでは、不動産会社さんと協議を行ったうえで「発泡ウレタンの全面撤去」をすることとなりました。 そもそも発泡ウレタンとは そもそもウレタンとは化学における化合物の一種であり、人為的に工業製品としてつくられたウレタンは「ポリウレタン」といいます。 断熱材で使われるポリウレタンを、形成時フォーム状に発泡することから「発泡ウレタン」といいます。 発泡ウレタンはフロンガス等の発泡剤をウレタン樹脂に混ぜてつくるため、フォーム状に発泡した粒が複数集まり、密着しています。このフォーム状に発泡した粒に空気やガスが含まれることで、温度が保たれ断熱効果が発揮されます。 発泡ウレタン断熱は現場で発泡させるいわゆる「吹付け硬質ウレタンフォーム」。 今回撤去したウレタン断熱も吹付け硬質ウレタンフォームです。 発泡ウレタンの撤去 こちらの動画は発泡ウレタン断熱材を撤去する様子を撮影したものです。 https://www.teoria-lumbertech.com/wp/wp-content/uploads/2018/03/7489655baab1965cbdcb9a19a250d324.mp4 床下では、このような姿勢で全ての発泡ウレタン断熱の撤去を行います。 ▼before ▼after ▼before ▼after 密着性の強い発泡ウレタンフォーム。撤去には施工する時の数倍もの時間が必要です。 住宅の省エネのために断熱材=「エコ」のはずですが、廃棄物がこんなに出たら全然「エコ」じゃないですよね・・・。 発泡ウレタンが付着している材料(木材)は建物を解体した際に再利用ができません。後々のことを考えると、断熱材選びは断熱性能だけでなく、シロアリ被害や建物解体時のことも考えておくことが必要かもしれません。 →テオリアランバーテックの断熱について シロアリと断熱材 今回の被害例を見ても分かるように、発泡ウレタン断熱材はシロアリにとっては存在していても支障がないものです。なぜなら発泡ウレタン断熱材は食べることもなく、ただ穴を開けて木材にたどり着いてしまうからです。 そして、前述したように発泡ウレタンはシロアリ被害に遭っていても被害状況の範囲や把握が難しく、結果として断熱材を全て撤去することになる場合がほとんどです。 弊社で施工を行っているセルロースファイバー断熱は、新聞紙から作られた断熱材。新聞紙はシロアリの大好物ですが、セルロースファイバーにはホウ酸という防蟻成分が添加されており、シロアリがそれを食べることで死んでしまいます。(※セルロースファイバーに含まれるホウ酸は食べない限り効果はありませんので、人間には問題ありません) つまりシロアリにとって存在していると死滅する断熱材もあるということです。 シロアリ被害の点検 話は戻り、ウレタン撤去後に再度床下のシロアリの被害範囲を点検します。 前回の診断時に蟻道を見つけた場所(台所)から狭い範囲にて軽度の被害が確認できたため、シロアリ駆除工事を行いました。 シロアリ駆除工事 シロアリの駆除工事は、次のような流れになります。 木部(束や大引き)に駆除用薬剤を散布処理(木部表面に薬剤を散布する) 穿孔処理(ドリルで小さな穴をあけて薬剤を中まで注入する) 最後に地面に土壌用薬剤を散布して表面にバリアを作る バリア工法と呼ばれる施工で、シロアリの被害を予防する処置を施しました。このバリア工法は、シロアリを寄せ付けないように家を守るための施工です。 防蟻薬剤の効力は5年間。そのため5年ごとにシロアリの予防が必要になります。 ▼穿孔中 ▼穿孔部に注入 ▼表面に散布 まとめ 今回は「床下」に絞ってシロアリ調査・被害状況、断熱についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? 床下はお家の中でも中々普段は目にしない場所だと思いますので、シロアリの被害と合わせてリアルにお伝え出来たかなと思います。 定期的に5年ごとのシロアリ予防工事をしておけば、被害が出てから工事するよりコストも低く抑えられ、お家も長持ちさせることが出来ます。 住宅の中でも床下は自分ではなかなか確認できない場所…。シロアリ無料点検や断熱調査まずは現状を把握しましょう。 必要なシロアリ予防、住宅断熱を行い末永く快適に暮らしましょう! ▼関連記事 発泡ウレタン断熱のシロアリ被害、きましたねぇ〜 シロアリ防除について 断熱調査について詳しく