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家の中にシロアリの巣?!見分け方・NG行動・駆除費用まで徹底解説!

家の中にシロアリの巣?!見分け方・NG行動・駆除費用まで徹底解説!

監修者下村 秀樹 しろあり防除施工士/1級建物アドバイザー
福岡県出身で、趣味は登山など外遊び。業界歴8年のシロアリ防除アドバイザー。学生時代は建築を学び、年間250〜300件の現場に携わってきました。築100年ほどの古民家調査は特に印象深い経験です。シロアリや羽アリを見つけた際は慌てず現状を写真で記録し、信頼できる業者へ相談することが大切。住みよい住環境づくりを第一に、防除提案を行っています。

家の中で「蟻道」「羽アリ」「粉(粒)」が見つかったら、“巣が近い前提”で動くのが正解です。
その場でできる初動は 「写真を撮る → 触らない → 早めに点検」 の3つだけ。
スプレー殺虫剤や蟻道破壊はNG。シロアリが分散して被害が見えにくくなり、結果的に駆除が難しくなることがあります。

シロアリの巣は、床下・壁の中・水回りなど見えない場所に作られるため、被害が表面化したときには進行しているケースも少なくありません。しかも「巣の作り方」は、ヤマトシロアリ/イエシロアリ/アメリカカンザイシロアリで大きく異なり、種類を取り違えると対策もズレるのが厄介な点です。
この記事では、巣ができやすい場所・見分けの兆候・やってはいけない行動・駆除方法と費用相場まで、実務目線で整理します。

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目次

シロアリの巣とは?見えないまま進行する危険性

シロアリの巣とは?

シロアリの巣の構造と役割

シロアリの巣は、単なる住処ではなく、集団全体の生命活動を支える中枢システムです。巣の内部では、女王・王を中心に、働きアリ、兵アリが明確に役割分担しながら、効率的な社会を形成しています。
女王・王は繁殖を担い、働きアリは採餌・巣の拡張・建材の加害を行い、兵アリは外敵から巣を守ります。この分業体制により、シロアリの巣は長期間にわたって安定した活動を続けることができます。

特に注目すべきは、巣内の温度と湿度が常に一定に保たれている点です。シロアリは乾燥と寒暖差に弱いため、土や木材、排泄物を混ぜた独特の構造で通気と保湿を調整しています。この仕組みにより、外気環境に左右されず一年中活動できる状態が保たれます。

この巧妙な巣が建物内や床下、壁の内部に形成されると、被害は表面化しにくいまま進行します。
構造材の内部を食害しながら巣を拡張するため、気づいた時には広範囲に被害が及んでいるケースが少なくありません。シロアリの巣の存在は、単なる虫害ではなく、住宅全体の耐久性に直結する重大なリスクといえます。

「巣=1か所」とは限らない

シロアリの被害解説でよく使われる「本巣(ほんす)」と「分巣(ぶんす)」という考え方は、主にイエシロアリに当てはまる営巣方法です。すべてのシロアリに共通する仕組みではない点を、まず押さえておく必要があります。

イエシロアリは、大規模なコロニーを形成する種類で、地中や構造物内部に女王・王がいる本巣を持ち、そこから離れた場所に分巣(中継拠点)を複数作ります。分巣は餌場の近くに設けられ、住宅の床下や基礎、壁内に形成されることが多く、被害を効率的に拡大させる役割を担います。
このため、分巣の発見=すでに被害が進行しているサインと判断でき、駆除では本巣の存在を前提とした広範囲な対策が欠かせません。

一方で、ヤマトシロアリには明確な「本巣・分巣」の区別はありません
ヤマトシロアリは湿った木材や床下空間そのものを生活の場とし、被害箇所=巣であるケースが大半です。女王が特定の巨大な巣に固定されているというより、加害している木材内部や周辺で集団生活を営むため、「分巣を潰せば本巣が残る」という考え方は当てはまりません。

さらに、アメリカカンザイシロアリは性質がまったく異なります
この種類は乾いた木材の中だけで生活を完結させ、地面に降りることも、本巣・分巣を作ることもありません。被害材そのものが巣であり、1本の梁や柱の中に小規模なコロニーが点在するイメージです。そのため、被害は局所的に見えても、見えない場所で同時多発的に進行していることがあります。

このように整理すると、次のように理解すると分かりやすくなります。

イエシロアリ・ヤマトシロアリ・アメリカカンザイシロアリの巣の特徴

イエシロアリ:本巣と分巣を持つ/ネットワーク型の被害
ヤマトシロアリ:被害箇所=巣/局地的だが見逃されやすい
アメリカカンザイシロアリ:木材内部完結型/点在被害


シロアリの巣は、単にシロアリが集まっている場所ではなく、被害を長期・広範囲に拡大させるための中枢機能を持っています。しかも多くの場合、巣は床下や壁内など目に見えない場所に作られるため、被害が進行するまで気づきにくいのが現実です。
「巣があるかもしれない」という視点を持つこと自体が、シロアリ被害を早期に食い止める第一歩になります。まずは、巣の仕組みと危険性を正しく理解することが、適切な判断と対策につながります。

 

種類別|巣の作り方が違うと、対策も変わる

イエシロアリの巣の特徴

イエシロアリは、地中や建物内部に大規模な巣を形成するシロアリで、被害の深刻度が非常に高い種類です。巣の中心には女王アリが存在し、数十万匹規模のコロニーを維持・拡大させます。この圧倒的な個体数が、被害スピードの速さにつながっています。

特徴的なのは、地中の本巣から複数の分巣を伸ばし、建物全体をネットワーク状に加害する点です。水を運ぶ能力があり、床下だけでなく、壁内や天井裏にも侵入し、短期間で広範囲に被害が及びます。

また、イエシロアリの被害は構造材にとどまりません。

・柱・梁・土台
・畳・敷居・家具
・電気配線の被覆や断熱材

といった木質・非木質を問わない加害が確認されることもあります。被害に気づいた時点で、すでに住宅全体が影響を受けているケースも少なくありません。

羽アリの発生時期は6〜7月頃で、主に西日本〜太平洋側の温暖な地域に多く分布します。イエシロアリの場合、部分的な対処では再発リスクが高いため、巣全体を想定した専門的な調査と駆除計画が不可欠です。

ヤマトシロアリの巣の特徴

ヤマトシロアリは、日本の住宅で最も多く見られる種類で、床下や湿った木材の内部そのものを生活の場(巣)として利用します。明確な「本巣」を構えるというより、加害している木材=巣という関係に近く、床下の土台や大引、浴室まわりなど水分の多い環境で発生しやすいのが特徴です。

巣の規模は比較的小さく、初期段階では被害範囲も局所的にとどまります。水を運ぶ能力が乏しいため、天井付近または2階で被害が出ることは少ないですが、2階で被害が発生している場合には、雨漏れ・防水箇所のメンテナンス不足・結露などの可能性があります。これらの湿気の供給源が解消されないまま放置すると、床下全体や壁内・2階へと静かに活動範囲を広げていきます。進行は緩やかでも、気づきにくい分、被害が長期化しやすい点には注意が必要です。

発生時期は、羽アリが飛び立つ4〜6月頃が目安となります。地域的には全国に分布していますが、湿潤な気候の地域や、床下換気が不十分な住宅で被害が目立ちます。
ヤマトシロアリ対策では、被害材の補修だけでなく、床下の湿気環境そのものを改善する視点が重要になります。

アメリカカンザイシロアリの巣の特徴

アメリカカンザイシロアリは外来種で、乾いた木材の内部だけで生活を完結させるという、他のシロアリとは大きく異なる性質を持っています。水分や土壌を必要としないため、屋根裏・窓枠・家具・造作材など、これまで安全と考えられていた場所にも発生します。

この種類の最大の特徴は、被害材そのものが巣になっている点です。本巣や分巣といった概念はなく、1本の柱や1枚の板の内部に、小規模なコロニーが点在します。そのため、被害は局所的に見えても、別の場所で同時に進行している可能性があります。

発見の手がかりとなるのが、六角形の粒状のフン(乾いた砂のような見た目)です。窓枠の下や床にこのフンが落ちている場合、内部で活動している可能性が高いと判断できます。

一方で、木材表面は比較的きれいなまま残るため、外見上の異変が少なく、発見が遅れやすいのが実情です。被害に気づいた時には、すでに複数箇所に巣が形成されているケースもあります。
アメリカカンザイシロアリ対策では、目に見える被害だけでなく、周辺部材まで含めた精密な点検と処置が重要になります。


このように、シロアリは種類ごとに巣の作り方・被害の広がり方・対策の考え方がまったく異なります。同じ「シロアリの巣」でも、ヤマトシロアリとイエシロアリ、アメリカカンザイシロアリでは、見るべきポイントも、取るべき対応も変わります。
そのため、巣の有無を判断する際は「どこに、どの種類が、どのようにいるのか」を切り分けて考えることが重要です。ここを誤ると、駆除しても再発する原因になりかねません。

 

家の中や屋外で巣ができやすい場所

床下

湿度が高くカビが生えた断熱材と木部と、床下のシロアリ被害

床下は、シロアリの巣が最もできやすい代表的な場所です。暗く人目につきにくいうえ、湿気がこもりやすく、木材と土が近接または接触する構造になっているため、シロアリにとって理想的な環境がそろっています。

特に注意したいのが、束柱・大引き・根太の周辺です。これらは構造上、地面に近く湿気の影響を受けやすいため、初期侵入の起点になりやすい部位です。シロアリは土中から蟻道を伸ばし、これらの木部に到達すると、そのまま内部で活動を始めます。

床下で巣が作られる背景には、次のような要因が重なっていることが多くあります。

・床下換気口が少ない、または、荷物などによって外部から塞がれている
・基礎内部に漏水や雨漏れなどによって水が流入している
・土壌が常に湿った状態になっている

このような環境では、被害が床下全体へと連続的に広がるため、定期的な予防や点検、条件によっては湿気対策が極めて重要になります。

屋内(水回り・玄関框)

屋内でシロアリの巣ができやすいのは、水回りと玄関框(かまち)周辺です。浴室・洗面所・キッチンなどは、配管からの微細な漏水や結露によって、木部が長期間湿った状態になりやすい場所です。

こうした箇所では、床や壁の内部で静かに被害が進行します。表面上は異常がなくても、壁内や床下で巣が形成されているケースは少なくありません。点検口や床下収納から内部を確認することで、初めて被害が判明することも多くあります。

また、玄関框は屋外と屋内の境界部にあたり、温度差・湿度差が生じやすい構造です。

・外壁のクラック(ひび割れ)
・土間コンクリートと木部の取り合い
・基礎と框のわずかな隙間

こうした部分は、シロアリの侵入口になりやすく、見た目では異変に気づきにくい点が厄介です。踏み心地の違和感や、框表面の浮きなど、わずかな変化が重要なサインになることもあります。

屋外(庭・デッキ・杭など)

屋外に放置された木材にシロアリの食害が

シロアリの巣は、必ずしも建物内部だけに作られるわけではありません。屋外の木材と土が接する場所も、重要な発生ポイントです。代表的なのが、放置された木材、ウッドデッキ、古い木杭、庭木の根元などです。

特に、地面に直接設置された木製デッキや、撤去されずに残った杭は、屋外の分かりやすい侵入口になります。これらの場所で活動を始めたシロアリが、やがて基礎沿いや配管周りを伝って、建物内部へ侵入するケースは珍しくありません。

屋外被害の怖さは、「家とは別の問題」と見過ごされやすい点にあります。しかし実際には、屋外の巣が建物被害の起点になっていることも多く、屋内対策だけでは不十分です。

庭や外構を含めて全体を確認し、

・土と木が直接触れていないか
・放置された木材や切り株がないか

といった視点で点検することが、再発防止につながります。


このように、シロアリの巣ができやすい場所には共通して「湿気」「暗さ」「木材と土の近さ」という条件があります。場所ごとの特性を理解し、見えない部分を意識した点検と対策を行うことが、被害を未然に防ぐ第一歩です。

 

巣を疑った時のセルフチェックリスト

「もしかしてシロアリの巣があるかも…」と感じたとき、やみくもに家の中を見回すのは効率的ではありません。
ここでは、専門業者が現地調査で重視する視点をもとに、ご自身で確認できるポイントを整理します。

① 窓枠・サッシ下・床まわりに「粉」や粒が落ちていないか

☑ 窓枠の下・壁際・床の隅に、乾いた砂のような粒が落ちている
☑ 同じ場所に繰り返し粉が溜まっている

② 浴室・洗面所・キッチンなど水回りの木部に異変がないか

☑ 床がフワつく
☑ 木部が変色している
☑ 触ると柔らかい感じがする

③ 玄関框(かまち)・勝手口まわりをチェック

☑ 踏むと沈む
☑ 表面が浮いている
☑ 木目に不自然な割れがある

④ 床下点検口から基礎・束柱まわりを確認

☑ 基礎の立ち上がり部分に蟻道(土でできた筋状の盛り上がり)がある
☑ 束柱・大引き周辺に蟻道(土でできた筋状の盛り上がり)がある
※無理に奥へ入ったり、蟻道を壊したりしないでください。

⑤ 春〜初夏に羽アリが室内に出ていないか思い出す

☑ 春〜初夏に室内で羽アリが出た
☑ 窓際・照明周辺に大量に羽アリが集まっていた


上記のうち、1つでも当てはまる場合は、「たまたま」ではなく、シロアリの巣が関与している可能性を前提に考える段階です。
次の章では、羽アリ・空洞音・蟻道・粉や木くずといった兆候を、それぞれ詳しく解説します。

 

兆候で見分ける|巣が近い”4つのサイン”

羽アリ

ヤマトシロアリの羽アリの生態と特徴

春から初夏にかけて、室内や窓際で羽アリが群れになって飛び回る現象(群飛)が見られた場合、それは巣が近くに存在することを示す非常に重要なサインです。羽アリは繁殖のために巣から飛び立つ個体であり、偶然入り込むものではありません。

種類によって群飛の時期が異なる点も、判断の手がかりになります。

ヤマトシロアリ:4〜6月頃の昼間に群飛することが多い
イエシロアリ:6〜7月頃、夕方から夜にかけて群飛する傾向

室内で羽アリが発生した場合、すでに建物内部または直下に巣がある可能性が高いため、市販の殺虫剤で対処するだけでは根本解決になりません。群飛は「被害の終盤」で起こることも多く、早急な点検が必要です。

空洞音や感触

床下のシロアリ被害

柱の根本や框などを軽く叩いて「ポコポコ」とした軽い音がする、触ってみて手ごたえがない、または、床を踏んでみるとたわんでしまう場合、内部が食害され空洞化している可能性があります。見た目がしっかりしていても、中身だけが失われているケースは少なくありません。

ただし、音の違いだけで被害の有無や深刻度を正確に判断するのは困難です。木材の種類や施工方法によって音は変わるため、DIYでの判別には限界があります

違和感を覚えた段階で、床下や屋内などを含めた専門的な点検を行うことで、

・被害の範囲
・巣の有無
・再発リスク

を総合的に把握することができます。空洞音は、見えない被害が表面化し始めたサインとして、早めに行動するきっかけにしてください。

蟻道

<ベタ基礎の住宅のシロアリ被害>蟻道が作られている

蟻道とは、シロアリが乾燥や外敵から身を守りながら移動するために作る、土でできたトンネル状の通路です。床下の基礎表面、束柱、土台、壁の立ち上がり部分などに沿って見られることが多く、巣の存在を示す非常に分かりやすい兆候といえます。

蟻道にはいくつかの特徴があります。

:土色〜茶褐色で、周囲の基礎や木部と質感が異なる
形状:細長く、指でなぞれる程度の盛り上がりがある
:数ミリから1cm前後が一般的

新しい蟻道ほど表面がしっとりしており、古いものは乾いて崩れやすくなります。床下に作られることが多く、自身で隅々まで確認するのは困難ですが、もし家の外周を確認して蟻道を見つけたのであれば、その内部や延長線上に活動中の巣、もしくは分巣が存在している可能性が高いため、放置は禁物です。

粉や木くず

引用元:「シロアリ1番」(テオリアハウスクリニック)

床や窓枠、家具の周辺に粉状のものや木くずが堆積している場合も、巣の存在を疑う重要なサインです。これは、シロアリが木材をかじった際の破片や排出物が、内部から外へ押し出されている状態です。

特に注意したいのが、サラサラとした乾いた粉です。この場合、アメリカカンザイシロアリの可能性が高くなります。乾材シロアリは木材内部だけで生活するため、外見上は被害が分かりにくく、粉の存在が唯一の手がかりになることもあります。

一方、湿った木くずや繊維状の破片が見られる場合は、床下や水回りで活動する種類の可能性があります。
いずれにしても、繰り返し同じ場所に粉が溜まる場合は、内部で現在進行形の加害が起きていると考えるべきです。


これらの兆候は、単独で現れることもあれば、複数同時に確認されることもあります。ひとつでも心当たりがある場合は、「様子を見る」のではなく、早期点検によって事実を確認することが、被害拡大を防ぐ最善策です。

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巣を疑った時にやってはいけないこと

巣や蟻道を壊す

シロアリの巣や蟻道を見つけると、思わず壊したくなるかもしれませんが、これは最も避けるべき行為のひとつです。蟻道はシロアリの移動経路であると同時に、どこから侵入し、どの方向に活動しているかを読み取る重要な手がかりでもあります。

壊してしまうと、

・通り道が分からなくなる
・活動範囲の推定が困難になる
・巣の位置特定に余計な時間がかかる

といった問題が生じます。これはプロの調査でも同様で、本来たどれたはずの痕跡が失われてしまうのです。

点検前に大切なのは、「駆除すること」ではなく「正確に把握すること」です。巣や蟻道を見つけた場合は、触らず・壊さず・現状を保つことが、その後の確実な対策につながります。

スプレー殺虫剤を使用する

市販の殺虫スプレーでシロアリを見つけ次第駆除するのも、よくある誤解です。スプレーで駆除できるのは、表面に出てきているごく一部の個体だけで、巣の内部にはほとんど効果がありません。

それどころか、スプレーの使用は、

・巣内部のシロアリを刺激する
・危険を察知して分散させる
・別ルート・別場所に活動拠点を移す

といった結果を招くことがあります。これは、被害を一時的に見えなくするだけで、根本的には悪化させる行為です。

もし室内でシロアリや羽アリを見つけた場合は、掃除機で静かに吸い取る・羽アリが出てきた箇所をテープでふさぐ方法が比較的安全です。巣を刺激せず、状況を悪化させにくいため、点検までの応急対応として有効です。

自分で木材を削る

被害を確認しようとして、ドライバーや工具で木材を削ったり突いたりする行為も注意が必要です。一見、内部状況を確かめられるように思えますが、構造材を物理的に弱らせてしまうリスクがあります。

特に、柱や土台などの重要な部位では、

・強度低下による安全性の問題
・削った部分から湿気が入りやすくなる
・シロアリが活動しやすい環境を作ってしまう

といった二次被害につながる可能性があります。また、削った振動や刺激によって、シロアリが別の場所へ移動し、巣の拡大を招くケースもあります。

応急対応|点検までに”安全にできること”

被害が疑われる場合は、無理に手を加えず、
・写真を撮る
・位置や範囲をメモする
・発見日時を記録する
といった記録にとどめる対応が最適です。正確な情報が残っていれば、専門業者による調査・対策がスムーズに進みます。

特に羽アリが出るシーズンには、プロによる調査や駆除工事までに時間がかかることもあります。
そんな場合も紹介したNG行動は避けましょう。羽アリが出てくる場合には、以下の対応をおすすめします。
・羽アリがどこから出てくるのか特定し、穴をガムテープなどで塞ぐ
・室内にいる羽アリは掃除機で回収する


シロアリの巣を見つけたときは、「何かしなければ」と焦りがちですが、間違った初動対応が被害を広げる原因になることも少なくありません。
壊さない・撒かない・削らない。この3点を守り、早い段階で専門的な点検につなげることが、被害を最小限に抑える最善の行動です。

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シロアリの巣を駆除する方法

穿孔処理法(木部注入処理)

玄関框裏のシロアリ被害のあった木材に駆除剤を注入する様子

穿孔処理法は、被害を受けている木材に小さな穴を開け、内部へ直接薬剤を注入する駆除方法です。木材内部に潜むシロアリや巣に薬剤を確実に到達させられるため、被害箇所が限定されやすいヤマトシロアリ対策として高い効果を発揮します。

この方法の強みは、目視や打診で特定できた被害部位をピンポイントで処理できる点にあります。床下の束柱や大引き、土台など、巣と一体化している木部に直接作用するため、即効性が期待できます。

一方で、被害範囲の見極めが不十分だと、未処理部分にシロアリが残るリスクがあります。そのため、穿孔処理は単独で行うよりも、床下全体の調査結果を踏まえて、必要に応じて他の工法と組み合わせることが重要です。

土壌処理法

<土壌処理>床下の基礎に薬剤散布をする様子

土壌処理法は、床下の土壌表面に薬剤を散布し、シロアリの侵入経路を遮断する方法です。地中から侵入する性質を持つシロアリに対して、予防効果が高い工法として広く採用されています。

特に、築年数が経過した住宅や、過去に被害履歴がある建物では、床下全体に薬剤の防御層を形成できる点が大きなメリットです。既存の巣を直接叩くというより、「これ以上侵入させない」「再発させない」ことに主眼を置いた対策といえます。

ただし、すでに木部内部で活動している巣に対しては、土壌処理だけでは効果が不十分な場合もあります。そのため、現場では穿孔処理と併用し、侵入経路の遮断と内部駆除を同時に行うケースが多く見られます。

ベイト工法

ベイト工法によるシロアリ駆除の様子

ベイト工法は、シロアリの採餌行動と仲間同士で餌を分け合う習性を利用した駆除方法です。建物周囲や床下に設置したベイト(毒餌)を働きアリが巣へ持ち帰り、時間をかけてコロニー全体を衰退・壊滅させます

この工法の最大の特長は、建物に穴を開けたり薬剤を大量に散布したりしない点です。そのため、

・建物を極力傷めたくない場合
・小さな子どもやペットがいる家庭
・環境負荷を抑えたいケース

で選ばれることが多くなっています。

一方で、効果が現れるまでに一定の時間がかかるため、即効性よりも確実性を重視する方法といえます。また、定期的な点検・管理が前提となるため、専門業者による継続的なフォローが欠かせません。


シロアリの巣の駆除は、種類・被害範囲・建物の状態によって最適な方法が異なります。重要なのは、ひとつの工法に固執せず、調査結果に基づいて複数の手法を適切に組み合わせることです。
巣の性質を正しく見極めたうえで対策を講じることが、再発を防ぐ確実な駆除につながります。

 

駆除費用と期間の目安

費用相場

シロアリの巣を含む駆除費用は、建物の大きさ・被害範囲・工法によって前後しますが、一般的な目安は「1階床面積×平米単価」で考えると分かりやすくなります。
ここでは、弊社の平米単価3,300円(税込)を基準にした相場感を示します。

1階床面積の目安 概算費用(税込)
約20坪(約66㎡) 約22万円
約30坪(約100㎡) 約33万円
約40坪(約132㎡) 約44万円

※実際の費用は、床下の状況や施工範囲によって異なります。

費用を見る際に注意したいのは、金額だけで判断しないことです。

・平米単価に含まれるサービスの内容
・保証期間の有無・年数
・再発時の対応内容
・点検・アフターフォローの有無

これらは、将来的な再発リスクと直結します。初期費用が抑えられていても、保証がなく再施工が必要になれば、結果的に負担が大きくなるケースもあります。「駆除+その後の安心」まで含めて比較する視点が重要です。

施工期間の目安

シロアリの巣を対象とした駆除工事は、駆除のみであれば基本的に1日で完了するケースがほとんどです。床下調査から処理、後片付けまでを同日で行い、日常生活への影響を最小限に抑えるのが一般的な考え方です。

ただし、工法によって考え方は異なります。

・穿孔処理・土壌処理:原則1日施工
・ベイト工法:設置後、数か月単位での観察・管理が必要

ベイト工法は即効性よりも確実性を重視する方法のため、施工自体は短時間でも、駆除完了までに時間を要する点を理解しておく必要があります。

また、次のような場合は例外的に施工期間が延びることがあります。

・構造材の補修・交換が必要な場合
・床下に入れない、もしくは作業環境が悪い場合
・被害が複数階・複数箇所に及んでいる場合

このようなケースでは、2日〜3日程度を要することもあります。重要なのは、「早く終わるか」よりも「被害を残さず、再発させないか」という視点です。

駆除費用と期間は、巣の規模や種類によって大きく変わります。事前調査で状況を正確に把握し、内容と費用・期間が釣り合っているかを確認したうえで進めることが、納得のいくシロアリ対策につながります。

 

実際の駆除事例

実際にシロアリによる被害にあってしまった建物の事例をご紹介します。

床下でのヤマトシロアリ巣発見事例

床下で蟻道の根元を掘ってみるとシロアリが出てきた

■建物概要
築20~25年程度
木造2階建て
賃貸住宅

■ご依頼時の状況
5月の中旬ごろ、仕事終わりに帰宅したところ、建物の2階居室に大量の羽ムシが発生していることを入居者様が発見。オーナー経由にて、調査のご依頼がありました。

■調査の状況
入居者様が携帯電話で撮影した画像を確認。また、発生した羽ムシを捕獲してくれており、その確認を行いました。この時点で、シロアリの被害であると断定しました。
1階の窓上部にまでシロアリ被害が及んでいる
次に、発生した2階の居室を確認し、出窓(アルミサッシ+シングルガラス(昔ながらの窓、熱の影響で、冬は特に結露が起きやすい))の枠の劣化、外についているアルミベランダの接続部分を確認しました。
壁を剥がしてみると2階までシロアリ被害が到達
室内側から一部めくれた壁紙や畳下の状況から、2階にまで被害が到達していることが推測できました。
床下でシロアリの蟻道を発見
その後、床下の確認を行ったところ、各所で蟻道や生体を確認しました。
ヤマトシロアリによる床下の被害
結果として、以下のことが確認できました。
・蟻害が建物全体で同時多発的に発生している
・蟻害が長時間にわたり進行しており、被害が大規模化している
・建物の構造への被害が進んでおり、シロアリの防除のみでは建物の健全化ができず、大工工事による大規模修繕が必要

■大規模修繕内容
ヤマトシロアリの被害により壁や床を剥がし大規模な修繕工事をする様子
・被害が大きな箇所の外壁、窓などを取り払い、蟻害が発生した構造材の修繕やシロアリ駆除処理
・床材の入れ替え作業とシロアリ予防
・土壌環境の改善とシロアリ予防
物件や案件によって被害の大小はありますが、大工工事を必要とする被害が発生すれば、費用面、作業期間、お客様の心情的な負担など、シロアリ駆除を行う以上の負担を強いられることとなります。

■駆除の様子
ヤマトシロアリの被害により床を剥がし大規模な修繕工事と駆除工事を行う様子
大工工事の内容に従い、土壌への薬剤散布処理および、被害木材への穿孔作業後の薬剤注入、入れ替えた新規の材料への薬剤吹付け処理、内土間等に対する薬剤処理

■駆除日数
土壌処理:半日
木部処理:半日~1日(大工工事が3か月~4か月程度)

■駆除費用
1階床面積76㎡ × ¥3,300 + 垂直面への追加作業 ¥33,000 = ¥283,800(税込)
(シロアリの被害の程度や建物の構造により、2階などへの処理や穿孔箇所が増える、床下進入口の開口など、追加作業等が必要な場合は、平面作業での作業費に加え、追加作業費が必要となる可能性がございます。)

 

巣を再発させないための対策

湿気対策

シロアリの巣を再発させないために、最も効果が高いのが湿気対策です。シロアリは乾燥に弱く、湿った環境でこそ活動を活発化させます。つまり、床下環境を改善することが、根本的な再発防止につながります。

具体的には、

・床下換気扇の設置によって空気を循環させ、湿気を滞留させない
・防湿シートの敷設で地面からの水蒸気を遮断する

といった対策が有効です。これらは、駆除後の再発防止としてだけでなく、被害を受けやすい住宅全体の体質改善としても意味があります。

また、日常的に気を付けたいポイントもあります。

・建物の周囲に物を置かず、風の通り道を確保する
・床下換気口を荷物や落ち葉で塞がない

こうした小さな配慮の積み重ねが、シロアリが住みにくい環境を維持する鍵になります。

構造改善

再発防止を長期的に考える場合、住宅の構造そのものを見直す視点も欠かせません。シロアリ被害の多くは、「木材と土が近い・接している」構造から始まります。

そのため、

・基礎パッキン工法によって床下の通気性を高める
・束石の設置・交換により、木部が直接土に触れない状態をつくる

といった構造改善が有効です。これらは新築時だけでなく、リフォームや改修工事のタイミングで検討することで、将来のシロアリリスクを大きく下げる効果が期待できます。

特に、浴室改修や床の張り替えなど、床下に手を入れる工事の際は、シロアリ対策を同時に行う絶好の機会です。後からやり直すよりも、計画段階で組み込むことで、コスト面・効果面の両方で合理的な対策になります。

定期点検と予防施工

シロアリ駆除に使用される薬剤は、永続的に効果が続くものではありません。一般的には、効果の持続期間は約5年前後が目安とされています。そのため、一度駆除したからといって、完全に安心できるわけではありません。

再発リスクを最小限に抑えるためには、

・定期的な床下点検
・薬剤効果が切れる前後での再施工

を計画的に行うことが重要です。点検を行うことで、再侵入の兆候や環境悪化を早期に発見でき、大きな被害に発展する前に対処できます。

また、予防施工は「被害が出てから行うもの」ではなく、被害を出さないための保険的な対策として捉えるのが現実的です。定期点検と予防施工をセットで考えることで、シロアリの巣が再び作られるリスクを、長期的に抑え続けることができます。


シロアリの再発防止は、駆除だけでは完結しません
湿気環境の改善、構造的な弱点の見直し、そして定期点検という3つの視点を組み合わせることで、巣を作らせない住まいへと近づきます。これらを継続的に実践することが、最も確実な再発防止策です。

 

よくある質問(FAQ)

Q1.シロアリはどこに巣を作るの?

シロアリの巣が作られる場所は、種類によって大きく異なります
例えば、ヤマトシロアリは床下や湿った木材の内部を巣として利用し、被害箇所そのものが生活の場になっているケースが多く見られます。一方、イエシロアリは地中や建物内部に大規模な巣を構え、そこから分巣を広げて建物全体を加害します。アメリカカンザイシロアリの場合は、乾いた木材の内部だけで生活が完結し、屋根裏や窓枠、家具などにも巣を作ります。

このように、巣の位置や侵入経路は外から判断しにくいのがシロアリ被害の特徴です。床下・壁内・屋外を含め、被害範囲を正確に把握するためには、専門業者による点検が欠かせません

Q2.巣や蟻道を見つけたがシロアリがいない。何もしなくても大丈夫ですか?

巣や蟻道があるにもかかわらず、シロアリの姿が見えない場合でも、何もしなくてよいとは言えません。シロアリは光や乾燥を嫌い、刺激を受けるとすぐに奥へ引っ込むため、目視できないだけで近くで活動を続けている可能性が高いからです。
特に、蟻道は「過去の痕跡」ではなく、現在または直近まで使われていた通路であることがほとんどです。壊したり放置したりすると、被害の進行に気づくのが遅れてしまいます。

「見えないから大丈夫」と自己判断せず、点検によって現在の活動状況を確認することが、被害拡大を防ぐ最も確実な方法です。

Q3.市販薬剤での駆除は可能?

結論から言うと、市販薬剤だけでシロアリの巣を駆除することはできません。市販スプレーや処理剤は、目に見える範囲の個体にしか作用せず、巣の内部や地中にいる大半のシロアリには届かないためです。
さらに、不適切な使用はシロアリを刺激し、
・別の場所へ分散させる
・被害を見えにくくする
・駆除を難しくする
といった結果を招くこともあります。
専門業者が行う駆除では、床下・壁内・屋外を含めた被害状況を総合的に調査し、巣の位置や侵入経路を推定したうえで処理を行います。知識や経験に基づく判断が入ることで、処理の抜けや再発リスクを最小限に抑えられるのが大きな違いです。

シロアリ対策は「今いる個体を減らす」ことではなく、巣ごと断つことが目的です。そのためにも、早い段階で専門業者による対応を検討することを強くおすすめします。

 

 

不安を感じた段階で、床下や構造部の点検を受け、建物の状態に合った対策を検討してみてはいかがでしょうか。

長野県でシロアリについてお困りの方は、テオリアランバーテックにお気軽にご相談ください。

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